コルビニアン=エミール・ネットワーク仮説

【コルビニアン=エミール・ネットワーク仮説について】
 Korbinian Brodmann(1868-1918) は解剖学的所見にもとづき、脳の地図を造った人ですが、そのマップ区分の正確さから、それまで曖昧模糊として主張されていた、脳の機能局在説に確かな根拠を与えます。彼は精神病院でも診療をしたり恐らく生前の臨床所見と死後の解剖所見を「比較」関連づけることで、機能局在論を科学的仮説にまで高めることに貢献しました。友人にアロイス・アルツハイマーもいました。ここからは、僕の妄想ですが、ブロードマンが生きた時代は、社会分業論――あのMechanical Solidarity, Or Solidarity by SimilaritiesとOrganic Solidarity And Contractual Solidarityを区別した――を提唱した、Émile Durkheim(1958-1917)と同時代を生きた社会学者でした。空間分布と機能分布の相互連関というこれらの発想が、同時期に試みられたことは、社会学科学史の(狭いパラダイムの)学説史では、議論しつくされないことです。文化史や思想史の「妄想」の助けが必要なのです。