マルクスのフォイエルバッハへの高い評価

マルクスフォイエルバッハへの高い評価の根幹は、後者が、ヘーゲルの体系が哲学の装いをとった宗教に他ならないことを指摘したことにある。ここでマルクスが想定している宗教とは、人間を解放する社会的イデオロギー的装置ではなく、そのイデオロギー的機能すなわち「人間疎外」の最たる活動だということだ。これは1844年4月のマルクスフォイエルバッハへの手紙でも明らかなことなのだ。