トロツキーの時間の民族誌

トロツキーの時間の民族誌について】
 トロツキーレーニン伝の前書きで書いている、本書作成の2つの命題――それを抽出するのは僕なのだが――が面白い。1)「イスクラ」誌編集時にまつわるエピソードの集成だが、一切に資料を使わず記憶による構成をすること、2)ノミナリズムの原則により1924年1月24日に「誕生」したレニングラードのそれ以前の都市をペトログラードやペテルブルグと呼ぶことの正当性を開陳していること。自分の記憶において歴史を構成する(=時間の民族誌?)ことにポイントを置いているわけだ。このことは、自らの大罪を隠蔽し歴史の時空間を捏造するスターリンと大きな対比をなす。