pragmatismとutilitarianism どうちがいますか?

しつもん:pragmatismとutilitarianism どうちがいますか?

前者は、アメリカの功利主義を受けた発展形態で(ジェイムズ、パース、ミード)が展開したものでしょう。功利主義の功利計算(後の便益分析につがりますがここでは有用性の最大化をめざす思想)よりももっと日常的に、まず、わかるもの、理解できるもの、有用可能なものを優先してゆく実践理念ですね。

後者=功利主義は、JSミルの功利計算に代表されるような、苦痛を最小限に快楽を最大限にという一見わかりやすいテーゼですが、苦痛の反対は快楽だという馬鹿な発想で、その内実に入っていくと人間経験は矛盾だらけで、容易な実装は無意味だとすぐにわかります。

でも、経済学や経済政策は、ミル的な発想で運用されているのと、政策決定などにはその時点での判別をおこなう必要がある時には、非常に便利な思考法です。

僕たちは、多かれすくなかれ功利主義の子供ですが、理論的に洗練しているのは、プラグマティズムのほうですし、先の三大巨人の定義するプラグマティズムも全部違うところが、プラグマティズムの懐の大きいところです――それを可能にする思想こそがプラグマティズムでしょう。これは、大陸合理論にも英国の経験論にもない、第三の道です。贔屓の引き倒しですが、僕はすばらしいと思います。

一見明快そうなプラグマティズムの(本当の)理解は難しいし、また奥が深いと思う。ローティとか面白いし!