自分たちの生存のための福音

《捜査当局は鬼畜を呪わず、むしろ自分たちの生存のための福音とみなす》
 こんな奴の脳みその解剖学や生化学的データ(お好みなら電極刺して生理学の人体実験でもするか?)をとっても変態異常者であることの《科学的証拠》はとれない。なぜなら、そのような理論こそが絵空事ゆえのことだからだ。刑法や(鑑定のための)精神医学は解釈学的科学(hermetic science)ではなく、客観という構成物をでっち上げるための政治的実践(political practice)なのだ。捜査当局が、動物行動学よろしく被疑者の「計画性」や犯行の「目的」や犯行の「合理的整合性」を、こまめに発表するのは、マスコミや世間の好奇の眼や欲望を満たすためではない。被疑者を「合理的な異常行動の準備」という観点から裁きたいという欲望からなのである。

==引用文(一部改編)==
「O県K市の小学5年の女児が行方不明になり、O市北区の無職F容疑者(49歳)が監禁容疑で逮捕された事件で、F容疑者が県警の調べに「4月に通学路で偶然見つけ、気に入った。好み通りに育て、結婚するつもりだった」と供述していることが21日、捜査関係者への取材で分かった。一方、女児は「無理やり車に乗せられた。怖かった」と話していることも判明。県警は容姿を気に入ったF容疑者が一方的な願望で事件を起こしたとみて、未成年者略取容疑で再逮捕する方針を固めた。/女児は今月14日夕、学校から帰宅途中に行方不明になった。県警によると、F容疑者は自分の車の脇に女児といる姿を同級生に目撃されている。この際、F容疑者は女児にナイフを見せて「殺すぞ」と脅し、車に連れ込んでいたという。/車は約8キロ離れた藤原容疑者宅へ直行し、女児は1階洋間に5日間、監禁された。F容疑者は外出の度に外から鍵をかけていたという。県警は、女児が強く脅迫されたことで、抵抗できない心理状態になっていたとみている。/県警は21日、F容疑者をO地検に送検した。【五十嵐朋子、原田悠自、平川義之――毎日新聞記者名:引用者註】
出典:http://mainichi.jp/select/news/20140722k0000m040099000c.html(最終閲覧日2014年7月22日)