ウィリアム・オスラーの呪縛法則

【ウィリアム・オスラーの呪縛法則】
 医師は複雑で内面の自己の情動をも含む感情労働しているので、自分の診断例のうち誤診例や逆に成功例について、つよい思い入れを持つ。それゆえ、大衆に自己の経験を話す時には、偏った(バイアスのかかる)医学的意見をいうことがある。これを、名医と言われた、オスラーの診断のアドバイスが、医療技術も人間関係も異なる21世紀の近代医療の文脈のなかに、日野原重明という医師=シャーマンを通して、普遍原則となってしまった逸話に関連付けて、ウィリアム・オスラーの呪縛法則と呼んでおこう。また、ウィリアム・オスラーの歴史的皮肉と呼んでもよろしい。
(解説)
 医者はバカだから――というか(ホックシールドが取り上げた事例とは異なるより複雑で内面の自己の情動をも含む)感情労働しているので――、自分の診断例のうち誤診例や逆に成功例について、つよい思い入れを持つので、大衆に自己の経験を話す時には、ものすごく偏った(バイアスのかかる)医学的意見をいうことがある。ま、これは連中個人の個性(性格)や、どの立場で仕事しているかにも影響を受けるだろうが。