自殺の消極的肯定論

「近代が人間本来にそなわっている生産的な力におしつけた軛(くびき)は、人間の力でいかんともしがたいものだ。人間が疲労して死に逃れるのももっともである。近代は、英雄的な意志を確固たるものにする自殺の影のもとにある。それこそが、情念の領域で近代が達成したものなのだ」――ヴァルター・ベンヤミンボードレールにおける第二帝政期のパリ」