On Fellatio

フェラチオという語に興味することについて:On Fellatio】
 グーグル検閲?「フェラチオ」を検索すると、大辞泉小学館)の「男性の性器を舌や唇で愛撫する性技」だけしか、リンクはなかった?――グーグルは(事前に検閲しておいて)わいせつなものに対しては検索してもユーザーにはリンクさせないのか?もちろん、それも大歓迎だが、日本語研究者や(文化人類学者を含む)猥褻語義を研究する者にとっては、厳しい状況だな。ところで、上記のデジタル大辞泉では「性技」とある。僕は「交接のヴァリエーション」と思っていたが、この辞書編纂者の理解は「交接」を狭くとっているように思われる――あくまでも主観的評価だが。そして、より生物学的機能主義だ。だけど類人猿からはじまる「交接」と「性技」のボーダーレス化の、人類史の観点からみたら、この定義は、いささか国語主義に偏りすぎているように思われる。昨夜みたドキュメンタリー『辞書を編む人』の観すぎか?
 ちなみにOEDでは、"A sexual act in which the partner's penis is sucked or licked" 「パートナーのペニスを吸ったり、舐めたりする〔ことが行われる〕性的行為」つまり性的行為としている。こちらのほうはより現象主義的な記述になっている。おまけに、この説明は、in which という関係代名詞の使用を通して、吸ったり、舐めたりすることだけが「フェラチオ」ではないのだ、という大らかな、ないしは大まかな説明を通して、フェラチオは多様に解釈される行為として解釈されることも示唆している。こういう解説は、文化人類学者の知的関心に極めてちかく、僕には好感が持てた