クレイマー発言を上手に回避する方法

【公開討論でクレイマー発言を上手に回避する方法】
 よく公開討論などで(一通り相手の主張の論難した上で)「あなたはいったいどんな立場で発言なさるのか?」と不用意にフロアから非難する人がおられます――御本人は正義心からでしょうが半分ぐらい興奮している。あなたが壇上の人なら「そういうあなたの立場は説明されておられませんので、まずお聞きしたいと存じます」と切り返します。フロアと壇上では、発話の権力構造の落差は明らかですから、大概の抗議者は、そこで(発言のチャンスが増えたと勘違いして)さらに興奮して支離滅裂な方向に話の尾ひれをつけて話だします。その時には、フロアの多くのひとは、議論の時間を独占する偽善者に辟易します。他方、あなたはフロアの人に「少数派のクレイマーにも耳を傾ける度量の広いやっちゃ」と心証を植え付ければ、いくらでも反論は可能です。フロアの人はクレイマーの質問には興味ないわけですから、あなたの立場表明なら形式な発言ひとつで十分で、あとは、そこから派生する「より重要な問題」「より生産的議論」にしましょうと、やんわりと、クレイマーに説諭するパフォーマンスを行えば、フロアの多数派を味方にすることができます。だいたいのシンポジウムは、壇上の人の話を聴くためにやってきたわけですから、そのようなかく乱分子の制圧は、基本的にそのラインでやればよろしいかと存じます。