冷静な親王と癲狂将軍

【冷静な親王と癲狂将軍】
「私は中国大陸で参謀として勤務しているうち(1943年)に、当時さかんに叫ばれていた聖戦などというスローガンが偽善的であることに気づいた。そして中国奥地で活躍していたクリスト教のの聖職者や敵ながらも天晴れともいうべき八路軍の行動を見聞して、クリスト教とマルクシズムに深い関心をいだくようになった」――三笠宮崇仁(1977年)。戦争に参加した崇仁親王裕仁の弟、今上天皇明仁の叔父にあたる)ですら、戦後30数年たっても、そのような冷静な認識をもっていたのに、(実戦こそしらないヒヨコだが)元軍人で高度な軍事史を学んだはずの田母神さんは、今般の演説のなかで「侵略戦争はなかった」と妄言を吐かれる。俺達は戦争も知らないし、軍人教育も受けたことがないが、どちらの発言が「間違っているか」はものを考え始めた中学生にもわかるだろう。