PCRの社会化のプロセス

昨日メキシコから帰国したのですが、乗る前に買った本の中にこんな論文がありました。
Nelson, Alondra. The Factness of Diaspora: The Social Sources of Genetic Genealogy. In "Rite of Return: Diaspora Poetics and the Politics of Memory" M. Hirsch & N.K. Miller, Columbia U.P.
黒人の間で、自分たちの(アフリカの)ルーツ探しにDNA配列の鑑定で教えてくれる有料サービスがあるのだが、その会社のこんファンレンスと、参加者の人たちの語り。DNAが親族の証明や根拠になるだけでなく「民族や家族」のルーツやそれに込めるノスタルジーをつくる原動力になっていることなど、僕はこんな企業があることすらしらなかった。昔、ラビノウの「PCRの誕生」の書評(『文化人類学文献事典』)を書いたことがあるが、PCRのテクノロジーがこんなことにも?「利用」されているなんて、その書評の執筆した時には夢にも思わなかったよ!