シンタグマとパラディグマ

◎シンタグマ(syntagma, pl. sytagmata)
 これの派生語はシンタックス統語論)なので、シンタグマと聞いた時には、ただしい統語すなわち、正しい語順などを想起すればよい。つまり、時間系列により語があらわれるのが語順であり、語順の論理構造を統御しているのがシンタックスだからだ。
 言い換えれば、シンタグムは、「換喩の系列」でもある。つまり、構文という全体を構成する要素の集まりが、単語である。また、構文は、あるメッセージを正確に伝える「機能」をもつので、陳述的(predicative)である。
 この語は、きちんと並べるというギリシャ語 syntassein に由来する。
 シンタグマ=統語論=換喩の正しい系列
 と理解すればよい。[換喩]のわからない方は語でリンクしてください。
 この語の配列の異常を[ディスコミュニケーション]の観点から理解したい方は、この語でリンクしてください。

◎パラディグマ=パラダイム(paradigm)
 トマス・クーンの『科学革命の構造』で一躍有名になった言葉だが、パラダイム科学史科学社会学の専門用語ではなく、たんなる文法用語で、【語の活用表】のことである。
 パラダイムにおいては、同じ意味(素)を共有する語の、活用(たとえば人称と接頭辞・接尾辞・語形変化などなど)にしたがって変化するものだが、それらは、どれとして同じではないが、共通の語根・語幹や意味(素)をもつ。つまり、それらは全体で全体を表現する(=隠喩)、ことなった表象形態なのである。
 パラディグムはその意味で、隠喩の系列である。これは、時系列によって換喩的要素が現れるシンタグマ的構造とは、根本的にことなる構造をとる。また、同時系列のなかで、同じものが存在せず、代置的 (substitutive)配列をとることで、人称の異なった意味を派生させる。
 パラディグマ=パラダイム(活用表)=代置的配列
 と理解されたい。
 [隠喩]のわからないひとは、この語でリンクしてください。
 この語の代置の異常を[ディスコミュニケーション]の観点から理解したい方は、この語でリンクしてください。

◎異常のことを総合的に理解したい人は下記のリンクを参照してください。
隠喩~パラダイム/換喩~シンタックス連関図 http://bit.ly/grdGHU