〈人間性〉(ヒューマニティ)について

その言葉は、むしろ〈人間性〉(ヒューマニティ)という言葉で置き換えてもいいものなんじゃないでしょうか? もちろん、私たちの生活は〈人間性〉をめぐって展開するものだから、そんなことが否定されるわけはありません。問題は、上の論理が左から右にすんなりと連接するかということです。支えは、支えられる人や集団とマッチ(=適合)するものではなくてはならず――そのようなものがすんなりいないので私たちは試行錯誤するわけです――、そのようなもの(=現象)に適切な語彙が与えられ、みんなが齟齬にストレスなく交通(=コミュニケーション)しているかも、やっぱりやってみないと、あるいはやりながら(=実践しながら)モニターし、その都度、修復しなければならない。少なくとも私のやっている文化人類学は、そのような〈よりどころ〉といものが、ものすごく多様性を持ちながら、一定の形や方向性をもっているという、いっけん矛盾しまた、ややこしい実態をもっていることを、ただひたすら示すだけかもしれません