第三世界の医療人類学の糾合が急務と感じる次第

U先生のご指摘は、膝をたたいてそのとおりだと思います。
垂水源之介
以下余談、忙しい人は放念ください。
一昨日までSociety for Medical Anthropology主催の医療人類学50周年記念大会でY大学いました。学振で面倒みている Y君(八月にフランスから帰国して狭い私の研究室のルームメイトになりました)という日本の臓器移植を研究しているポスドクらの発表が今日ありました。最後の夜に、発表会の後若手の日本研究者たちと会食&バーしました。Y大学ではほかに、日本研究(阪神タイガースと右翼/ヤクザを研究する碩学と若手の2名の人類学者とも知り合い感慨ふかいものがありました)
ニューヘイブンのYはゴシック調の格調高い大学で、庶民的なB(カリフォルニア大学の分校)に親しんだ私としては、ちょっと引きます。おもだった医療人類学者が集まって蒼々たるものです。しかし、一昨日のPFの基調講演は、自分の事前の演題にラインを引いて、my photo album と称して、延々と自分が受けてきた教育ーーもちろん会場にいたAKを絶賛するーーや研究を語るのです。さすがに、これは退屈で参っ た。彼は私よりも3歳も若いのにもう有名な大家で国際社会にも影響力があるから、なおさら私のような年寄りのサバルタン(=卑しい被差別被抑圧民)には皮肉に聞こえました。日本のPFたるN先生におかれましては、高い学識を持たれつつ、是非とも東海岸風の貴族趣味&ペダンティズムの誘惑に陥られないようにお願いします。
貧乏なB校にくらべると大学から潤沢な予算的補助もあるSMAの記念大会は、よくも悪くもプチブルジョア風の優雅な催しです――私は北米中心の医療人類学は実質的に学問的効用が切れている、はっきり言ってすでに死んでおり、第三世界の医療人類学の糾合が急務と感じた次第。場所も場所ですし(私は1ヶ月前に登録しようとしたらできず、ホームページには「締め切った、登録なしにY大学に来るな」との警告がありましが)というわけで、結局もぐりで参入することに決定!。会員に配られるランチバッグを日本を代表する?医療人類学者が無銭飲食してきたのも、これもいずれ暴露されると将来スキャンダルになるかもしれませんが、これは[精神的]貧民?の革命的実践行為と自覚しています。つまり石川五右衛門的確信的行為)。