〈集団主義〉と〈体面を重んじる〉という文化的論理で説明できる

自民党の「迷走」と報じられている。たしかに一見そうである。私は昨夜帰宅後に、家族に「自民党の動き」についてどうなったのか聞いたり、ニュース番組をザッピングして、ゴシップよろしく情報収集するのは、それが日本人当事者にとって〈興味深い反応〉だからである。つまり野党の広報、一部の無見識な評論家やしろうと解説者(=コメンテーター)のいうように「自民党は終わり」「自民党は狂っている」とは思いたくないのだろう[自民党国会議員の行動パターンは私たちにとって「理解可能」なのだ]――たしかにバカバカしい愚かな動きのようだが。今日の朝ズバでは、みのもんたとその手下の論説員・記者・コメンテーターらと森元首相の丁々発止のやりとりや、元首相の薄ら笑いなどは、どちらかというと釘付けで見てしまう。なぜだろう。それは、連中(=自民党の議員ども)が、私たちに理解可能な行動パターンをおこなっている、それらについての「真偽」や「妥当性」に関する議論に関心があるからなのだろう。野党の内閣不信任を蹴飛ばしたのは、自民党のみならず政治屋どものセクト集団主義の反映だろうし、また、麻生を辞めさせるために国会では逆に現職の首相の体面を尊重させたからかもしれない。だからこそ、つまり麻生の体面を保たせたからこそ、その見返り(=counter-service)として名誉のために自ら辞職をすべきだと、閣僚たちが首相に詰め寄っただろう。中川による辞職要求と与謝野や石破による辞職要求は、まったく趣旨が違うことも、日本人ならびに日本文化研究者なら、判別できるのではないだろうか。
前の日(7月14日)「内閣不信任決議案」に反対票を投じて麻生内閣を支持した面々が、翌日は倒閣運動につながりかねない両院議員総会を開くための署名集めに奔走する。さらに、政権中枢の与謝野金融・財政相、石破農水相までもが麻生首相に直談判して両院議員総会の開催を求めた。/ 鳥越俊太郎は「頼りにしている与謝野さんが両院議員総会を要求する署名、という話は麻生さんにとってショックだったと思う。読売新聞は、与謝野さんが麻生さんに退陣を促す、と報じている。影響は大きい」と述べる。/署名数は所属議員の3分の1、128名を超えたといわれ、執行部は1週間以内に両院議員総会を開かなければならない。が、21日が解散予定であること、その間の休日は、議員たちが地元に帰ることなどからすれば、開催候補日は明日(17日)くらいしかない。三反園訓によると、総理周辺では「握りつぶせばいいじゃないか」とする声もあるらしい。そうなればまた、「逃げる麻生では戦えない」との反発が拡大する可能性もある。/三反園は「解散詔書についても、このまま両院議員総会が開かれなければ、与謝野さんは署名しない方向だ。麻生さんが与謝野さんを罷免してまで解散できるかどうか、正念場を迎えている」と話す」(www.j-cast.com/tv/2009/07/16045441.html)。
「引用された文書の作者です。ユーチューブのリンクは衝撃的でした。流血の惨事の様子よりもなお、その場に居合わせた人たちの[事態の深刻さを彼女の症状の身体に読み取る]叫びのほうにより強く感情(たましい)を揺すぶられます。私たちは共感する動物(ホモ・コミュニカンス)だからです。
拙論を引用していただいたことは大変光栄でありがたいのですが、できましたら出典箇所(www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/09violencia_estructura.html)を明示していただくと助かります。
◎オンライン文献の引用方法
www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/031008cite.html
についても(ちょっと古いのとブログ書式などについて追記すべきなのですが時間がなくて)ご参照ください。