裏読みの記:ま、ど〜でもエエけど

財務省も暇というか、無益な勧告。医療地理学の基礎を学べば、都道府県単位で、医療従事者の多寡を議論するのは、もはや時代遅れ。県境を越境しても国民皆保険のなかでは、それほど問題にならない。もちろん、難病対策などでは、医療費無料ないしは補填をもとめて、住民票を移すという事態もおこっている。結局、地理的な空間でアクセス可能性を検討することと、その都道府県の医療従事者の人口密度を比較することにつよい関連性はない。それだったら、むしろ、医療従事者の労働強度や収入、年齢分布、施設間における偏在、さらに診療科の専門医の偏在などについて、都道府県で比較したほうが、「医療サービスの不均衡」の実態が明らかになるはず。ということは、財務省の財政構造改革部会は、まそういう気の利いた分析をやるつもりはなく、県民性の似非研究よろしく、都道府県マップを色塗りして、さあ大変だねと教室で、疑似科学的分析方法を教える教諭とレベルは変わらないわけだ。

財務省は21日の財政制度等審議会財務相の諮問機関)財政構造改革部会で、都道府県別の医師数を指数化した結果、人口と面積当たりで最も多いのは東京都で、最も少ない茨城県の4.5倍に上るとの試算を明らかにした。同省は深刻な医師不足問題の解決には、医師の絶対数を増やすだけでなく、こうした地域間の偏在の是正が必要とみており、2010年度の予算編成に向けた財政審の建議(意見書)に反映させたい考えだ。
 試算は06年度の都道府県別の人口と面積当たりの医師数を、全国平均を1として指数化。これを地方交付税の配分方法を参考に、人口、面積指数が9対1となるよう総合指数を算定した。
 総合指数が最も高いのは東京都で、次いで大阪府、神奈川県と大都市が続く。逆に指数が低いのは茨城県岩手県青森県などで、地方が大半を占めるものの、人口当たり医師数が最少の埼玉県など首都圏でも一部が全国平均を下回った」(headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090421-00000085-jij-pol)。