政府系のイモ機関

下記はさる政府系のイモ機関の公募文書の冒頭部分である。最初に「人文・社会科学と融合した新しい人間の科学を創出」と謳いながら、なかみは、自然系の研究への大型予算の投入が目的であるというのが、みえみえの破廉恥な文書だ。演習で、こういう作文を書く学生がいたら、まともな感性をもった教師なら、条件反射的に朱を入れたくなるだろう。景気浮揚のために公共投資を前倒しでやることがよいと考える政府をいただく機関なのだからしょうがないと言えばそうだが、自分たちの税金が使われいると考えると、まったく腹の立つことではある。春は人の気持ちを逆撫ですることが多すぎる。

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「脳は、人間が人間らしく生きるための根幹をなす「心」の基盤であり、その研究は、人文・社会科学と融合した新しい人間の科学を創出し、これまでの科学の枠組みを変える可能性を秘めている科学的意義の高い取組です。
 また、現在の脳科学研究は、医療・福祉の向上に最も貢献できる研究分野の一つであるとともに、教育等における活用も期待されるなど社会的意義も大変高い取組です。
 このような状況を踏まえ、文部科学省では、少子高齢化を迎える我が国の持続的な発展に向けて、脳科学研究を戦略的に推進し成果を社会に還元することを目指して、平成20年度より「脳科学研究戦略推進プログラム」を開始しています。
 初年度の平成20年度は、脳内情報を解読・制御することにより、脳機能を理解するとともに脳機能や身体機能の回復・補完を可能とする「ブレイン・マシン・インターフェースBMI)の開発」(課題A、B)及び脳科学研究の共通的な基盤となる先進的なリソースの「独創性の高いモデル動物の開発」(課題C)について、研究開発拠点の整備等を行う課題を支援しています。
 2年目の平成21年度からは、これらに加え、豊かな社会の実現に貢献する脳科学を目指して、ヒトの社会性障害の理解・予防・治療や社会性の健全な発達促進に応用することを最終目標とした「社会的行動を支える脳基盤の計測・支援技術の開発」(課題D)を統合的に推進する研究開発拠点の整備を行うこととし、今般、実施機関を公募いたします。また、平成20年度より開始している「独創性の高いモデル動物の開発」(課題C)について、追加要素課題として新たに参画機関を公募いたします」(→出典)。