医学ジャーナリズムの体質

拝復 以下の文章がタメぐち口調でしたらお許しください。
私は枝葉末節に文句を言っているようですが、これは医学ジャーナリズムの体質に起因するエラーの一つだと思うのですよ。
医者や医学者は偉そうなことを言うけど、結構不用意で、不確定な発言をすることが多いのです。
これに権威という困った防壁があるので、患者やマスコミなどが、事実確認をなかなか取りにくいのです。
おまけに、医学用語は漢語由来の怪しげな用語を使いますので――国立国語研が憂慮するとおり――わかりにくく、不正確な用語にくわえて、医者や医学者のフェイルセーフの精神の欠如。これにより、医師の発言の大名行列が横行するわけです。
日本のマスコミにはこのようなことを正しい知識で武装するという精神が欠けていますので、医療ミスなどがあると、とたんに患者の人権という錦の御旗で過激な反抗、つまり質問攻めで、記者会見を台無しにして、結局、両者(誰も得しない)闇の奥ということになるのです。患者や現場の医師は犠牲者になるだけです。
奈良の少年による自宅放火殺傷事件をめぐる報道スキャンダルなどは、このメディアと医師の間の情報交換を通して、社会の正義を実現していくということから最も遠のく悲しい出来事でした。
というわけで、日本の医学・医療ジャーナリズムは、いままでのような状況を脱するための新しいコミュニケーションデザインを構築する必要があると思います。
ちょっと偉そうに聞こえたらごめんなさい。
今後のご活躍をご期待します。
敬具
垂水源之介 拝