未来に近づきつつあるハリウッド的想像力

「米・メキシコ国境の麻薬密輸を取り締まるジャンプ・スタート作戦。米アリゾナ州軍のジョージ・ハリス少佐はヘリコプターに乗り、上空60メートルからアリゾナ砂漠を見張る。/麻薬カルテルの密輸人を助ける偵察員を発見するため、日々、担当している144キロの国境をくまなく監視しているという。/最近はメキシコの麻薬組織とコロンビアの麻薬組織が手を組んだため、米国に流入するコロンビア産コカインの90%がメキシコ国境を通過。5年前には3分の2に過ぎなかったという。/米行政監査局によると、メキシコの麻薬カルテルは2005年に米国内での麻薬密売で80億ドル(約9200億円)から230億ドルの利益を得たという。230億ドルの利益といえば、フォーチュン誌の上位500社ランキングの97位に相当する。コカ・コーラよりわずか4位下にあたる。/この巨利で武器を買い、警察にわいろを贈り、訓練された脱走兵を雇う。昨年、メキシコ政府は汚職疑惑で1900人を解雇または休職処分にした。かつてはライフルだった武器が最近は肩掛け式のロケット砲に代わっているという。/この作戦で、米国はアリゾナ州サンルイに3重フェンスを建設し、年初には多くの密入国者を逮捕した。ところが、9月にはフェンスの下9メートルに掘られているトンネルを発見。トンネルの総数は45。内部には照明、空気供給装置が装備され、衛星利用測位システム(GPS)や暗号化した衛星ラジオ、暗視装置なども設置されていたという/ハリス少佐は「密輸組織の偵察員を繰り返し攻撃し、密輸組織の目を奪うことに努めている」と話している。(アリゾナ州マラナ ショーン・ホルステジ)」(www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/90802/)。