イージーす艦

だからと言って、一番悪いのは機械ということにはならんやろう。
自衛隊の艦船に自動操舵システムが導入されたのは平成11年ごろ。昨年3月に海自舞鶴基地京都府)に配備された最新鋭イージス艦のあたごを含め、53隻ある海自の護衛艦のうち十数隻に搭載されているとされる。/装置はシンプルで、操舵員が舵(かじ)の近くに設置されたスイッチで針度をインプットする。「手動」「自動」を切り替えるつまみで、操舵を変更するものだ。自動から手動に切り替える際も、つまみを元に戻すだけで瞬時に舵が利くようになる。/この仕組みは、自衛隊の艦船も漁船など民間の船舶もほぼ同じだが、自動操舵中に事故を起こすケースは数多く報告されている。/海難審判庁が14年に北海道・函館の漁船の事故を分析したデータでは、帰港中に事故が発生した44件のうち34件は自動操舵中で、事故の77・3%を占めていた。原因は「居眠り」(56%)と「見張り不十分」(44%)に二分され、自動操舵で注意力が散漫になったことが事故を誘発していることがうかがえる。/「自動操舵は大海原で視界が良好な場合に使用することが原則」(海事専門家)とされる。今回の衝突現場の海域は、漁船や商船が頻繁に行き交い、自動操舵を続けていたあたごの当直士官らの判断には専門家も首をかしげる。/「船舶が多い海域に入れば、自動操舵は適切ではない。十分に安全航行できる海域以外では手動にすべきだ」(岡崎総合研究所理事の金田秀昭氏)。海上幕僚監部の河野克俊防衛部長も「シーマンの常識からは、手動にするのが普通」と認めた。/自動操舵のシステムは導入から日が浅く、「隊員が切り替えのタイミングの判断などで熟練の度合いが上がっていないのかもしれない」(海自幹部)との声も出ている」(headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080222-00000074-san-soci)。