TAとRAの有効活用について!

さてTA,RAは、教育改革の外部資金などでも支出が潤沢に認められている制度です。
TAは、博士(後期)の院生などを、それよりも低いグレード(学部や修士)などの授業の準備や事後の作業に従事させる制度ですが、私たちの経験でもっとも有効な利用は、学生と授業を一緒に受けさせて、ちょうどPBLのチューターのように使ってやることです。学生の理解把握や、授業の内容について、学生の立場から教師に情報提供させることを通して授業改善に役立てます。授業のつどに学生にリアクションペーパーを書かせますが、それらの取りまとめをさせ、TA自身にも授業の改善のために提言をさせます。TAは授業について大いなる貢献をするというふうに動機づけると(彼/彼女らが将来)教員になる時に、教える立場がどのようなものであるのかという実践的な職業訓練の場にもなります――ただしこれはあくまでも理想論ですが。
RAは、具体的には研究を助手させることへの財政的補填(=奨学)ですが、自主的な実験計画の立案などの権限を与えて研究者の自覚を早め早めにつけさせるのが、もっとも有効活用だと私は考えています。ただたんにばらまきの奨学資金として、あるいは研究室の下働きとしてRAを使うと――そういうケースが多く私は憂慮していますが――折角の資金がもったいないです。
TAやRAに従事させるのは、やはり優秀な院生を率先させるべきですが、民主的にやらないと、教室内部の院生間に妙なライバル関係が生じてややこしくなる可能性もあります。能力のある人に資金や研究費が配分されるという原則は、TAやRAにも通用することを院生に十分に理解してもらうことが重要です。
いま、一般論として言えるのはざっとこんなことです。