事故後の安全管理のゆくえ

安全管理基準の不徹底の原因は、同種の事故がこれまで起こらなかったことだろう。
しかし、遡れば日航機の墜落や、三菱自動車のリコール問題の時点、阪神淡路大震災時の橋梁支柱の断裂など、さまざまな耐久性の限界、疲労破壊(金属疲労)などの可能性を考える機会はあったはず。レトロスペクティブに悪者(原因)を探し出すことも刑事責任を問う意味では重要な作業だが、プロスペクティブに未来の事故防止――これでみんながジェットコースターに乗らなくなるとは考えられないゆえ――とその安全管理の方法を考えるべきだろう。また、耐震偽造マンション問題のように、行政当局の管理に委ねるのは管理と利権の独占維持につながるし、安易な民間委託だと腐敗の温床になるだろう(偽装問題そのものは、後者の戒めのために内部通報者がいたことを示唆するが……)。今般の事件は、科学技術と法などの人間管理との調和を考える上でも重要な機会であることにかわりはない。
大阪府吹田市の遊園地「エキスポラIntuitionンド」で起きたジェットコースター「風神雷神2」の脱線事故で、こうした「絶叫マシン」などの安全点検は遊園地にゆだねられている現状がある。/建築基準法は設置者に検査を義務付けているが、検査結果の確認を行政側に求めておらず、同市の担当者も「(遊園地側から出される)検査表を信用するしかなかった」と話している。/絶叫マシンの安全検査について国は、建築基準法で、設置者が半年から1年おきに行うことなどを定めているだけだ。/定期検査で設置者は「軌条・走路」や「台車・車輪装置」などの各項目について、検査資格者に3段階で評価させる。検査資格者は1、2級建築士や、日本建築設備・昇降機センターの講習の修了者で、結果を示した「検査表」は、管轄する都道府県や区市町に報告される。しかし、同法は、日々の点検について、具体的な方法を定めておらず、定期検査の結果が正しいかどうかの確認を行政側に求めていない」(headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070507-00000003-yom-soci)。