小川喜一（1920-1980）

樫原朗による小川の『イギリス社会政策史論』1961年の要約「いち早く登場した工場立法が適用範囲を拡大するとともに社会政策の課題は工場法以外の分野に拡大するようになり、 世紀の転換期にやがて救貧法の解体を通じて社会保険制度が成立するが、 「国民保険法の制定を必然化する基本的な歴史的要因をいずこに求むべきか」 を考えた。 救貧法による 「疾病貧民」 に対する援助と王立救貧法委員会の 『少数派報告』 そしてそれに対するロイド・ジョージの対決ともう一つ1908年の無拠出年金の行き詰まりによる1925年の拠出原理の採用を余儀なくされた過程をみる。 そして戦間期の社会保険の運営の諸困難からビヴァリジ報告をへて戦後の社会保障へ至る過程をみる。／戦後のフラットレイトの拠出が 「十分な生存年金」 の実現をデッドロックにおいやり、 「ビバリッジ体制を深刻な矛盾に陥れる」 （261頁） その反面、 職域退職年金の普及をみ、 国民に対して認められた 「生存年金」 以外のものに頼らざるを得なくしており、 貧困の状況が続くのではないかとしている」（http://www.yuhikaku.co.jp/shosai/20c50/35.html）。

・イギリス国営医療事業の成立過程に関する研究 / 小川喜一著. -- 風間書房,
1968
・イギリス社会政策史論 / 小川喜一著. -- 有斐閣, 1961
・イギリス労働党の歴史 / ペリング著 ; 小川喜一訳. -- 日本評論社, 1967
・イギリス社会政策史論 / 小川喜一著. -- 有斐閣, 1961
・ケア・ハーディ / 小川喜一著. -- 講談社, 1980. -- (人類の知的遺産 / 市
井三郎 [ほか] 企画 ; 55)
・「健康保険法」成立史 / 小川喜一編著. -- 大阪市立大学経済学会, 1974. --
(大阪市立大学経済学会研究叢書 ; 4)
・高騰する人件費管理の考え方・すすめ方 / 小川喜一, 山本正治郎編. -- 企業
開発センター, 1973
・社會主義経濟學 / G.D.H.コール [著] ; 名和統一, 小川喜一譯. -- 岩波書店
, 1952. -- (岩波現代叢書)
・社会政策 / 石田忠, 小川喜一編. -- 青林書院新社, 1978. -- (基礎経済学大
系 ; 13)
・社会政策の歴史 / 小川喜一編. -- 有斐閣, 1977. -- (有斐閣選書 ; 355)
・セミナー年金(社会保障)の常識 / 小川喜一編著. -- 日本評論社, 1978. -- (
経済セミナー ; 増刊 . 常識シリーズ)
・日本の社会保障 / 松尾均, 小川喜一編. -- 日本評論社, 1977
・老齢保障 / 小川喜一編. -- 至誠堂, 1972. -- (現代社会保障叢書 ; 1)