げんばりょく とは なにか
日時:4月19日(水) 10時〜12時
場所:2F CSCD会議室
記録:Mitzubishi
げんばりょく研究会第二回目はMitzubishiが、田辺繁治『生き方の人類学』講談社、2003年の序章「実践とはなにか?」ならびに第1章「実践知の系譜」の要約と論評をおこない、それらにもとづいて参加者を交えて議論した。「田辺のエピゴーネン」と豪語するMitzubishiによる要約によれば、この2つの章が客観主義的な構造主義人類学と主観主義的現象学的アプローチの、それぞれの限界の指摘とそれぞれの可能性を「実践」の概念をもって明らかにし、それらを乗り越えていこうと筆者の趣旨がふんだんに盛り込まれているという。また第1章では、田辺の言う、実践知の系譜を古くアリストテレスから説き起こし、マキャベリやヴィーコなどを引き合いにだしながら、ウィトゲンシュタインの言語ゲームに到達するまでのストーリーとして書いたとMitzubishiは説明した。種々の議論があり、 東山によるメティス(狡知)が今日における認知症ケアのパッシング(bashingではなくpassing)にみられるなど挑発的話題提供があったが、 論点が十分に整理できず、今後の課題になった。Mitzubishiが協調したかったのは、田辺がこの現代社会において「復権」させようとする実践知が指し示す内容を正確に把握することと、そのために田辺が弄する言説展開の戦術について知悉しておくという2つの観点が重要であるということだった。なお、エピゴーネンMitzubishiによる本書のウェブページは下記のところにある。
◎田辺『生き方の人類学』〈一読者による解説ノート〉ポータル
http://cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/040431ikikata.html
◎序章の解説:実践の世界
http://cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/040430Su00.html
◎第1章の解説:実践知の世界
http://cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/040430Su01.html