ODA改革スキャンダル

毎日新聞の米村耕一による記事。「政府開発援助(ODA)改革で、実施機関が国際協力機構(JICA)に一元化されることを受け、外務、財務両省が、JICA全体の所管を外務省が担い、うち円借款部門については財務省が受け持つとの取り決めを交わしていたことが21日、毎日新聞が入手した両省の合意文書で明らかになった。外務省の下での「ODAの一元化」で決着を見たはずのODA改革だったが、財務省の権限はこれまで通り残り、複数の省庁が関与する構図も維持される実態が浮き彫りとなった。/合意文書は、円借款、技術協力、無償資金協力のODA3部門が集約されるJICAの所管について「主務大臣は引き続き外務大臣とする。ただし、円借款に係る財務・会計の主務大臣は財務大臣とする」と明記。円借款の貸し付けも「現行の国際協力銀行法の下における関係大臣間の法令上の権限関係を変更しない」として、外務、財務、経済産業の3閣僚が協議し、決定する仕組みも残した。/財務省は現在、円借款の実施機関である国際協力銀行JBIC)を所管。政府のODA改革でJBICは分離・解体されるが、円借款がJICAに統合されても財務省の関与が引き続き残ることになる。/関係者によると、政府の「海外経済協力に関する検討会」の検討状況を踏まえ、安倍晋三官房長官が17日朝、外務、財務、経産など関係閣僚と協議。3部門がJICAに一元化されても現行通り各省の権限を維持する方向を確認した。これを受け、外務、財務両省の事務方が文書原案を作成。20日夕、谷内正太郎外務、細川興一財務の両事務次官が電話で確認し、正式に合意したという。・・・・/ODA改革をめぐっては、JBICの分離・解体に対し、財務省や経済界が「融資規模の減少により日本企業の国際競争力の低下を招く」と抵抗。小泉純一郎首相も「財務省からものすごいアプローチがある。役所の既得権益維持は大変なものだ」と周辺に漏らしていたが、結果的には財務省側の意向が盛り込まれたとの指摘が出ている。【米村耕一】」(出典:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060222-00000014-mai-pol)。ん〜、[ウェーバーの観点からみると]「誤った」あるいは「進化していない」官僚制がこの國にあるのか、それとも「言葉の正しい意味での」官僚制がこの國には存在していないということなのか・・、あるいは、密約に関わった官僚は、「正しい」官僚制を具現していない(権限執行における腐敗=つまり単なる犯罪)ということなのか? 当たり前というべきなのか、驚くべきというのことなのか。もともとJICAは3省庁の利権の温床と言われていたので、その「馨しき(=もちろん我々にとっては腐臭)伝統」が温存されているということなのか。呪われた國とは、地球の裏側の某国のことではなく、この國をさす言葉だったのだ。