ソビエト連邦における現代音楽の再輸入過程に関する一考察

mitzubishi2005-12-20

垂水源之介です。
なにかリスト的なメール件名ですね?

【質問】そういえば、グールドのDVDがいくつかでていますね。かれが司会をやっていたというテレビ番組のDVDなんて見れるんでしょうか。

【こたえ】テレビは意外と少ないんでしょう。それよりもラジオですね。
その場合ラジオ番組のCD版ならあります。マスターテープなので音質はばっちり
シルヴァー・ジュビリー・アルバム
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005G82U/qid%3D1135003695/249-9811357-9501927
ア△ゾンのこのページは取り寄せ不能となっていますが、私は大阪の◎新電機の店頭で実際に購入しました。

【質問】私はグールドのポイントは左手ではないかと思っていました。対位法をやると他の演奏とまるで違って聞こえるのは、左手がまるで別の生き物なんじゃないかなあと。

【こたえ】アルケミストのボーナストラックに無声の記録映像があります。
無声でも運指からゴールドベルグということがわかっています。
ちなみにアルケミストでは運指に焦点をあてたクローズアップはガンガン出てきます。ご覧あれ!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00061QX3G/qid=1135004027/sr=1-1/ref=sr_1_2_1/249-9811357-9501927

ちなみに思想史的に面白いのは「ロシアへの旅」です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000B63FJQ/qid=1135004027/sr=1-2/ref=sr_1_2_2/249-9811357-9501927
冷戦構造のなかでソビエト連邦に「ブルジョア音楽」がどのようにして「現代音楽」として再輸入されるのかがテーマです(1930年代にはアヴァンギャルド音楽がさかんに作られたソ連も50年代には悲惨だったらしいです。フルシチョフやブレジネフには、およそ芸術の社会生産についての深い理解を求めるのが如何に難しいのかは想像つきますけどね!)。ブログにも書いたけど、留守を守るトロントの愛犬に宛てた絵はがきの紹介があったりして、グールドふぁんのみならず、心が洗われる映像です。そういう意味ではグールドはブルジョア楽家ではないのです。そして今のブッシュ・ジュニアには絶対に真似のできない北米の多文化理解のグラスルーツの伝統を観ることができるのです。