現実と知識

mitzubishi2005-12-13

バーガーとルックマンが、<現実>の把握において、身体や言語を含んだ広い意味の<知識>が主たる媒介作用をもつと主張していると思われる。
 これはこの書の3部構成からなり、それぞれ「日常生活における知識の基礎」「客観的現実としての社会」「主観的現実としての社会」からなることからも明らかである。
 彼らの<現実>と<知識>の定義は以下のとおり。
It will be enough...."to define 'reality' as a quality appertaining to phenomena that we recognize as having a being independent of our own volition ( we cannot 'wish them away'), and to define 'knowledge' as the certainty that phenomena are real and that they possess specific characteristics.(p.13)".
 <現実>は、われわれ自身の意志から独立した一つの存在をもつと認められる現象(われわれはそれらの勝手に退けてしまうことはできない)に関連する属性として定義し、<知識>は、現象が真実味をおび、かつ現象が特殊な性質をもつという確実性として定義しておけば十分である。
 この書の目的は、自明的な世界に生きる人間が構築する社会を経験的に分析するための認識論的な基礎づけをおこなうことにあった。