(20の愛の詩のうち)10番目の詩 パブロ・ネルーダ

(20の愛の詩のうち)10番目の詩 パブロ・ネルーダ

まだこのような薄明であるのに僕たちは道に迷ってしまった。
手をつないだ僕たちの見たものは誰もいまいが、
その一方で、青い夜が世界の上に覆い被さるのだ。
僕の窓から覗き込む、
遠くの山間にある西のフィエスタ(祭礼)。
しばしば、ひとつの貨幣が、
僕の手の中で太陽のかけらのごとく火が灯るように。
ぎゅっと抱き締められた魂にて僕は君のことを思い出したよ、
君が知るその悲しみの魂にて。
そして、いま、どこに君はいるのかい?
雑踏のなかにいるのかい?
なにか言葉を話しているのかい?
どうして全部が衝突の愛になったんだろう、
僕が悲しくなり、そして、君を遠く感じるのは?
章ごとにいつも立ち往生するような書物になってしまった、
傷ついた一匹の犬が、僕のケープにて僕の足下で包まれるように。
いつも、いつも、午後は君は遠くにいってしまう、
それはちょうど薄明が彫像たちを消し去ってしまう、まさにその場所へと。