ハームリダクションという思想を定着させるために

【ハームリダクションという思想を定着させるために】
Harm reduction (or harm minimization) is a range of public health policies designed to reduce the harmful consequences associated with various human behaviors, both legal and illegal.
「ハームリダクション(危害の縮減、あるいは「危害の極小化」)とは、合法あるいは違法の双方においてさまざまな人間行動に関係する危害が起こることを減じるためにデザインされた公衆衛生上の領域(の政策)」のことである[英語ウィキ]。このことを、日本の社会に導入しようとする時、日本国民に蔓延る、功利主義(=本音や実利と言い換えてよろし)よりも法理や建て前に固執しようとするどうしようもない腐れ根性が、障がいになっちまうのだ。このような実害の元凶は、道徳企業家とよばれる司直(ケーサツ)、議員、そして公的知識人などが、「違法者」への便宜を図ってしまうと、その政策をサスペンドしてしまう傾向である。
 例えばサブスタンス(薬物)依存者やHIV感染者はカミングアウトをしてきても、そいつの治療を、サスペンドして、どうしてHIV感染/嗜癖耽溺したのか/誰から入手したのかと詰問したり調査を優先する奴がいる。あるいは、そういうことが現実は起こりえなかったとしても、当事者にそのような危惧をもたらす、言説を日頃から吹聴し(最終的に社会に公益性を齎す)カミングアウトする者を意思を削ぐような、擬制的な道徳編制のことがある。
 この「文化的」――僕は固定的で融通の利かないサンクションを文化とは呼びたくないが通りがいいのでここでは使う――伝統を解体するためには、少なくとも次のような社会的なコミュニケーションデザインが必要になろう:1)健康を希求し、各個人が直面している危害に対して医学的な介入を行うことに時に、その人が直面している危害の蓋然性を高めている状況に「司法的介入」を最優先させることをしない――ピープル・ファーストの原則、2)ハームリダクションの対象者へのケアをすることは、特定のミゼラブルな人への慈愛的な救援実践ではないことの理解を定着させる。弱者へのケアは、社会全体の福利(ケア)に繋がることに理解する。危害(ハーム)への直面が、市民生活を遂行する上でのリスクに過ぎないということを通して、ハームに直面する人とそうでない人の区別を儲けない。ハームに直面している人は、その人に保証されている人権が縮減されていると考える思想の定着――行為者は平等であり、また危害に曝されている人は合法適法にかかわらず人権が侵害されており、社会はその人の人権を保障されるべきと考えること。
http://en.wikipedia.org/wiki/Harm_reduction