参政権を通した政治参加の意味をさらに深める

【民主主義への道:参政権を通した政治参加の意味をさらに深める】
 日本の選挙管理委員会は、選挙にあわせたアドホックな対応をするのみで、参政権の行使が市民生活にとって重要な課題だという啓蒙をやらない。選挙は厳正中立におこなうという行政の「管理手段」に堕落している。だが、これは自分たちのミッションの重要性を顧みない愚鈍な無為である。市民に参政権の重要性を啓蒙するのは、市民を政治化(politicize)するという、もうひとつの第三極の政治=行政の実行なのであることを忘れている。こんな初歩的なことも、俺たちは大学ですら教えられたことはないーー日本の政治学者の多くは民主主義のメカニズムについて「自覚的」でないからだ。日本の民主主義への道は、参政権を通した市民の政治参加の意味をさらに深める必要がある。「選挙に行きましょう」は選挙管理委員会プロパガンダとしては失敗だ。「選挙に行かないことは、自分の理念のみならず自分の未来を踏みにじることなのだ」という啓蒙がないとだめだ。そのためには、選挙が実施されない期間の選挙管理委員会の仕事は、市民に政治参加を意味が、民に権力をもたらすこと(demos-crasia=dēmokratía)を繰り返し繰り返し次世代に伝えてゆくことなのだ。