新しい人間観の形成

OPACで調べるとこの本がなぜか◎◎にあるので、てっきり◎◎君が注文して読んでいるかと思ったよ。
いま情動理解の文化人類学的基礎というテーマで「未開人の思惟や情動」について考えています。
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/120726emotion.html
レヴィ=ブリュルの発想が、集合表象ではなく「当事者の思惟や情動」への議論へと展開しているから、気に入っています。
エヴァンズ=プリチャードも高く買ってますしね。
また、フィリップ・ディスコラの数年前の議論も、ありゃ読んでいる文献はほとんどレヴィ=ブリュルの「未開社会の思惟」で使われている本のネタバレで、ディスコラの独自性というか、相違点はなぜかこのフランス民族学の始祖へ繋がるのではなく、フッサールの論理学研究――レヴィナスは彼が表象批判を徹底化しながらも心的事象の表象化は棄て切れなかったと指摘――への接続のようなのです。
いずれにせよ、この問題は、◎◎君のポスト臓器移植期の研究テーマ(であったはずの?)新しい人間観の形成あるいは構築に連なるテーマなのではないかと思いますね。レヴィ=ブリュルはレヴィナスも高く買っているので(『われわれのあいだで』)要注意ですよ、大きなトレンドになるかもしれません。