文化の相対性(ベネディクト)

文化の相対性(ベネディクト)
「北西海岸がその文化の中で制度化するために選び出した人間行動の局面は、われわれの文明においては異常とみなされている局面である。しかしながら、それはわれわれが理解できるほどわれわれ自身の文化のもつ態度にたいへん近いものであり、その上にわれわれはそれについて議論できうる明確な言葉をもっている。われれわれの社会においては、誇大妄想的偏執狂的傾向はとても危険なものである。その傾向はわれわれのとりうる態度の中から、ひとつの選択を行わしめるものである。ひとつは、その傾向を異常で非難されるべきものという烙印を押すことであり、これはわれわれが自らの文明の中で選択した態度である。もうひとつの態度は、その傾向を理想的人間像の根本的特質とすることである。この態度が北西海岸地方の文化のとっている解決法である」(ベネディクト 2008[1934]:301)※字句は一部変えました。