キーワードは「ケモカイン受容体CCR5変異体」

「ブラウンさんは厳しい併用療法によく耐えたが、慢性疲労から2006年には白血病と診断。以降、抗がん治療を受けたものの、それが原因で今度は肺炎と敗血症を併発し、命を落としかけたこともある。/主治医のゲロ・フッター(Gero Hutter)医師には、モカイン受容体CCR5変異体を持つドナーの骨髄移植を試みるという考えがあった。HIVはCCR5をレセプターとして細胞に侵入するが、CCR5を持たない人の場合、HIVは侵入することができない。/CCR5変異体を持つ人は非常にまれで、欧州北部においては人口の1%程度のみと考えられている。しかし、その治療法はがんとHIVの両方の治療法に同時になりうるものだった。/ブラウンさんの白血病は2007年に再発。この時初めて、CCR5に変異のあるドナーの幹細胞を使用した骨髄移植術を受け、同時に抗レトロウイルス薬の併用療法を中止したところ、体内からHIVが検出されなくなった。ただ白血病が再発したので、翌2008年に同じドナーの幹細胞を使用した2度目の骨髄移植術を受けた。/この2度の骨髄移植は、手術を受けた5人に1人が死亡するという大きな危険を伴うものだった。しかしブラウンさんは、これまでのところ時々起こる頭痛だけが悩みと語った。/2度目の手術からの回復については1度目の時よりも難しく、神経系の問題も生じたという。ただ現時点においては、白血病HIVからは逃れることができているようだ」(出典:headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120727-00000028-jij_afp-int)。