レグレグの悲劇を「理解する」こと

共同体の人たちがレグレグを「遺棄」したのか? それともレグレグが彼らを「遺棄」したのかは、議論が分かれることであるけれど、レグレグの物語が、共同体の「規則」に従って共同体から遺棄されたわけだが、レグレグの悲惨な末路もまたその「規則」に従った帰結であると言える。だから、こそ、半ば神との取り次ぎをする権力するすら持つバリの王様においてもこのことは変更ができないことになる。つまり、逆説的だが、レグレグの異様さ(=R. Rorty のいうabnormal discourse で表現できるもの)こそが、バリの規則の強制力の強さを証明するものとなる。下記の議論を参照のこと。
ウィトゲンシュタインパラドックス
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/091111WP.html