名古屋議定書未明に採択

「生物の多様性をどう守っていくかをテーマに名古屋で開かれていた国連の会議、COP10は、30日未明まで開かれた全体会合で、最大の焦点だった、生物から得られる利益の配分のしかたを定めた国際ルール「名古屋議定書」を採択して閉幕しました。

COP10は、生物から開発される医薬品などの利益を途上国と先進国でどう分け合うかの国際ルールなどを主要なテーマに、今月18日から議論が行われてきました。最終日の29日深夜、最後の全体会合が開かれ、30日未明にかけて、それぞれのテーマごとに合意文書の採決を行いました。最大の焦点だった利益配分の国際ルールについては、事前の協議で各国の対立が解消されなかったため、各国の意見をもとに日本政府がまとめた議長案が全体会合に提出されました。これに対し、南米などの一部の国が議長案の内容には賛成できないと表明したものの、採択することには異議がなかったことから、「名古屋議定書」として採択されました。また、生態系を保全するために各国が取り組む新しい国際目標「愛知ターゲット」や、そのために調達する資金の目標も採択され、COP10は大きな拍手とともに午前3時に閉幕しました。採択された「名古屋議定書」は、自然の恵みから得られる利益を生物多様性を守る費用に充てようと、途上国と先進国が利益を公平に分け合う仕組みを定めています。利益配分の国際ルール作りは2002年から作業が行われてきましたが、8年を経て法的拘束力を持つ「議定書」が採択されたことで、生物の多様性を保全しつつ持続的に利用していく枠組みが動き出すことになります。」
出典:NHKニュース:www.nhk.or.jp/news/html/20101030/t10014925561000.html