ヘッダー「生物多様性、保全に「失敗」…16の指標悪化」

名古屋市で10月に開かれる生物多様性条約第10回締約国会議で主要議題となっている世界の生物多様性の現状評価について、欧米などの研究チームは30日、「多様な生態系の破壊は依然進行している」とする論文を米科学誌「サイエンス」(電子版)に発表する。
 生態系を構成する生物種の数、森林の破壊率のほか各国の保護政策など24の指標で分析した結果、16の指標で悪化が見られた。2002年に掲げた「10年までに生物多様性の損失速度を著しく減少させる」とした同条約会議の世界目標についても、「達成されそうもない」とし、対策の強化が必要と警告している。
 同条約事務局は来月10日、世界目標を最終評価する報告書を公表する予定だが、これに先だって科学者グループが一足早く、目標達成は「失敗」との結論を出した形だ。
 論文によると、脊椎(せきつい)動物の個体数が1970年から31%減ったほか、森林やサンゴ礁マングローブは過去二十数年の間に消失が進んだと報告。このほか外来種の数、過剰漁業など生態系に悪影響を及ぼす要因は逆に増えているとした。
 ブラジルなど大西洋岸の森林は伐採が進み、世界の大河の59%(流域面積)がダムや貯水池で寸断され、生物の生息環境の分断も進んでいる」(読売オンライン:headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100430-00000123-yom-soci)。