ダニエル・デネットの翻訳譚

ダニエル・デネットの近著の翻訳を読んだ。よくわかんない。別の本も翻訳しているその筋の大物だ。でもわかりにくい……
山形浩生訳を読んだとき、イカス奴と思ったのだが、そのわかりにくい訳本を読んでデネットイカスのではなく、山形がイカス奴なんだと思った(事実、抜群のセンスで、ほんとうに美味しい本を現代的名訳を出しているところがすごい。おまけに訳者解説は軽妙的確で外すことが少ない)。
というわけで、デネットの原文にアクセスするだけの根性と時間がない。その筋の大物の解説でも癖のある洒脱な文章という旨の「警告」がある――こういう知ったかぶりの原文解説は無知な(はい私のことですよ)読者にはビビルもんねぇ。
で、今日(といっても1月20日なのだが)図書館で『ダーウィンの危険な思想』を借りてきた。そこでページを繰る。おおおおおお〜、面白〜い。山口泰司さんという人の監訳であるが、読みやすいイケているよね〜。
ということは、最新の大家による翻訳はど〜なの?と疑念が浮かぶ。
訳本を仕上げることの大変さを十分に了解した上で、よい翻訳に出会えることは、読者にとって僥倖以外の何者でもないな〜。あるいはへぼ読者である私を含めた、今後のアドバイスは、一冊の訳本で難しいと思っても、同一原著者の別の翻訳や、原文に挑戦することをすすめるよ。訳文の世界は奥が深いので……