本の宣伝:川口有美子『逝かない身体:ALS的日常を生きる』

mitzubishi2009-12-14

さて友人の近著のご紹介!
川口有美子『逝かない身体:ALS的日常を生きる』医学書院(ISBN978-4-260-01003-0)2,100円[→にある表紙の画像の写真は筆者が2007年9月21日に撮影したそうです「電線で縄跳びができる」ような写真です(本書260ページ)][書肆による書籍紹介
[読書感想文]
ジャンルとしては、本人が自分の生活のことを語る、Auto-ethnography のような読み物だが……
最初の部分(母の発病から看病の生活に入るまで)から、途中で転調して、ALS介護マニュアル風の身体の観察記事のようになり、最後に再びオートエスノグラフィー(複数のALS者との出会いと意識の変容)という3部構成で読みました。
冒頭の部分は灰汁(アク)が強いので、このまま最後まで読まされるのが辛いなぁと思いましたが、介護マニュアル風の記述は、私の仕事がそれ系の教育関係(→臨床コミュニケーションデザイン)なので、ふむふむと読み、再転調の部分でふたたび自己民族誌になるときには、川口さんのキャラクター(もちろん登場人物上の人格)に違和感を感じなくなって、まあさわやかな読後感を得られます。あとがきは敬体表現なので、改善の余地がありますねぇ。最後のクライマックスがよかったのでむしろ雰囲気を相殺するからです。

      1. +

ここのところブログ日記をとどこおりがちになったのは、ツイッター
http://twitter.com/GenTarumi/
に填っていたからなんです。私の隣のお部屋の住人のように中毒になった人がいますけど(彼をフォローしているので、つぶやきがわかる)ま、もともと夢遊病者みたいなセンセーなのでべつに害もなくいいのですが、通常のウェブページで情報発信を心がける人間としては、むむ、邪道と思いつつ、つぶやかずにはおれない……
恋愛の人類学・戦記
もよろピク!
いよいよ水曜日ニイタカヤマノボレ

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垂乳根の母が飼ふ蚕の繭隠り息づきわたり我が恋ふる心のうちを人に言ふものにしあらねば松が根の待つこと遠み天伝ふ……【よみ】たらちねのははがかうこの、まよこもり、いきづきわたりあがこふる、こころのうちをひとにいふ、ものにしあらねば、まつがねの、まつこととほみ、あまつたふ……(部分:万葉集3258)