科学によるネオリベラル福祉国家像

「ロンドン(CNN) 医学の進歩や食生活の改善によって寿命が延び、人生100年時代の到来も予測されるなか、加齢にともなう健康上のさまざまな問題に対処して「後半50年」を元気に過ごすための研究プロジェクトが、このほど英国で発進した。リーズ大を中心に医学、工学、化学、物理学など幅広い分野の専門家が参加し、病院や企業なども巻き込んだ大規模な研究となる見通しだ。/英医学誌ランセットに発表された最近の研究報告によると、先進国で現在生まれている赤ちゃんの半数は、将来100歳まで生きると推定される。しかし加齢による体の衰えが止まるわけではない。結果として、関節や心臓などに慢性的な症状を抱える人は、今後さらに増えることになる。/「50歳以降の50年間を、それまでの50年間と同じくらい健康に快適に、活動的に過ごすこと。これがわれわれのテーマだ」――チームを率いるジョン・フィッシャー教授はそう語る。教授の専門分野は、人工関節と再生医療。この2分野が、新たなプロジェクトの柱となる。プロジェクトの予算は総額73億ドルに上る。/「すでに技術の進歩によって、驚くべきことが可能になっている。不調を来した部分の代わりに新たな組織を作ったり、半永久的に使える人工関節を開発したりする研究も盛んだ」と、フィッシャー教授は説明する。チームではさらに、進行性の病気の早期発見、早期治療を目的に、血液中の抗体やタンパク質を検知する生体センサーの開発にも取り組んでいるという。/同大の発表によれば、プロジェクトの第一段階として、今後5年間で次世代の人工関節など10種類を新たに開発し、これらの成果が現場で実用化されるまでの期間を半減させることを目指すという」(www.cnn.co.jp/science/CNN200910250013.html)。