この想像力、この文体は……!!!

沼正三家畜人ヤプー』このけったいな作品は、日本におけるモダンなサド侯爵(もちろんフーコーのすばらしい解釈を通して)的反省作用をわれわれにもたらす。[サイボーグ・ドット・コム]
かつて恋い焦がれたハンナの肉体の一部がそこにあった。しかもその位置が彼の構造にうまく適合していた。/これとなら普通の男女のように平等に愛し合えるのだ。/鼻人形として彼女に奉仕した頃、玉体の臍から上を抱擁することは許されなかったから、閨房から勤め終わって帰ると、彼はコノハナ――当時はただコンと称(よ)ばれていたのだが――と交わって欲求不満を解消したものだ。抱き心地のよい柔軟な女体の感覚が彼の気持ちを医(いや)し、次の夜の奉仕への活力を養ってくれた」。