比較による情報的価値と個別民族誌内の詳細な解釈と検討

なお、私は簡装版『獣道』を所有してましたが、1971-72年版の装丁がこんなにすばらしいものであるとは思いもよりませんでした。惜しむらくは、段ボールによる保護用の外箱と硫酸紙が、長年の湿気により書籍の天に有機物によるシミ(カビ)を生じさせていたことでした。ポルトガル語版の『成熟の年齢』をたまたま昨年手に入れましたが、レリスの作品については(書肆そしてファンとも)その装丁に対する強いこだわりは、世界共通であることがわかります。

内閣官房から送られてきたニュースにある「膨大な利用者から提供される情報を体系的に整理し、比較可能な情報として再提供することにより、サイトそのものの情報価値を高める」という亡国キャビネット補佐官のエッセーは、それに左右されない「百聞は一見にしかず」という経験情報が重要だということだが、これは、わたくしたち文化人類学者業界における、民族誌資料による比較研究と、個別民族誌内の詳細な解釈の検討という対比にあたる。ちょうどディスコラらの『自然と社会』の研究を若いピチピチした学徒と一緒に勉強している内容と合致したので、ふつうなら「あんたエッセーはなんやかやといって『個別経験が重要だ』と言いたいのでしょう?」とツッコミの一言で十分だったのだが、今回は深く考えさせられた。
Nobel Lecture, December 13, 1976 by D. Carleton Gajdusek
http://nobelprize.org/index.html
歪んだ医療化、で差し支えないと思います。もし女子学生に話をするのであれば、今日つくりたての課題も面白いかもしれません。今日60名ほどの学生を相手に10グループほどのメンバーで総合討論しましたが、結構もりあがりました。
ジェンダー・バトル、あるいは〈愛の操作術〉について
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/090616miomia.html
あるいはハノイ逃避行_個人的犯罪なら潜伏の可能性が、組織犯罪ならあるいはもう消されているかも?
ベトナムで操業中の三洋電機の製造子会社で、日本人の男性社員が会社の金約8億円を不正に使用した疑いが浮上、現地の警察当局が捜査に乗り出したことが15日、明らかになった。三洋電機によると事件への関与が疑われている社員は失踪(しっそう)中。警察は横領事件などの可能性もあるとしてこの社員の行方を捜している。/巨額の不正経理の疑いが浮上したのはベトナム南部でデジタルカメラを製造している三洋DIソリューションズベトナム。関係者によると経理部門の責任者を務める社員の行方が数週間前からわからなくなっているという」(www.nikkei.co.jp/news/main/20090615AT2M1501815062009.html)。