ヴァチマン

八丈島(東京都八丈町)で18日夜に開かれるごみ問題の講演会に講師として招かれた東京都職員に対し、都が出席を辞退するよう働きかけていることが分かった。島では都がかかわる廃棄物処分場の建設計画が進んでおり、都環境局は「公務の信用に影響を与える」と説明するが、職員は「圧力」と反発しており、講師を引き受ける考えだ。/この職員は都環境局環境保安課の藤原寿和さん(62)。72年に都庁入りし、環境行政に携わる傍ら、ダイオキシン汚染などを告発する市民運動に参加。「廃棄物処分場問題全国ネットワーク」の共同代表も務める。03年には公害・環境問題に取り組む人に贈られてきた「田尻賞」を受賞した。06年3月に都を定年退職したが再任用され、現在は高圧ガスの保安業務を担当している。/講師に招かれているのは、八丈島の市民団体「水海山(みずみやま)の緑と水を守る会」が18日午後7時半から開く講演会「ごみを考える」。同会は八丈町などで作る組合が進める処分場建設の凍結を求めている。処分場設置の届け出や建設費補助で都ともかかわりがあるため、都環境局幹部は「都や区市町村の事業執行を混乱させる恐れがある。反対、賛成を問わず、厳に(出席を)慎むよう再考を促している」と話している。/ただ、現在の藤原さんの仕事と処分場建設計画と直接の関係はない。藤原さんは休暇を使って島に行く予定で「私人としての行動への不当な圧力」と反発。各地の処分場で生じたトラブルや解決策を住民に語る考えだ。【木村健二】/【ことば】八丈島の廃棄物処分場計画/東京都島嶼(とうしょ)町村一部事務組合が伊豆諸島8町村で出されるごみを広域的に処理するため、八丈島東部の水海山に約27億円をかけて建設する計画。来年4月に着工し、11年度半ばの供用開始を予定している。処分場の面積は6200平方メートル、埋め立て量は4万9500立方メートル。予定地の標高が水源よりも高く、反対運動が起きている」(headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081218-00000000-maip-soci)。