メタボ年表(倉田・池田作成)

メタボリック・シンドローム診断の歴史】(依拠した資料は Wiki
 →ミッシェル・フーコーはこちら
1951 「男性型肥満は心血管疾患の原因になる」(Jouve & Vague)
1981 「正常体重でも肥満の人と同様に心血管疾患になりやすい人が存在し、それらは高インシュリン血症によるものと考えられる」(Rudermann)
1988 「シンドロームX」(Reaven):生活習慣病の三大要素(高血圧・糖代謝異常・脂質代謝異常)がインシュリン抵抗性*を基礎に集積して、心血管疾患を引き起こすという学説
1989 「死の四重奏」(Kaplan):高血圧・糖代謝異常・脂質代謝異常・男性型肥満→インシュリン抵抗性症候群の研究
1998 「メタボリック・シンドローム」(WHO)→診断基準:「内臓脂肪型肥満に高血圧・高血糖高脂血症のうちの2つ以上を併発した状態」
2005 世界統一の診断基準(国際糖尿病連合)/日本独自の診断基準(日本肥満学会メタボリックシンドローム診断基準検討委員会による採用)
インシュリン抵抗性:健康な人と比べて糖尿病の人では、同じ量のインシュリンを注射しても糖尿病の人の方が血糖値が下がりにくい。また、軽症糖尿病と重症糖尿病ではやはり重症の方が血糖値が下がりにくい。このようなことから、インスリンが効きづらいことが糖尿病の本態の1つであると考え、それをインスリン抵抗性と称した。インスリン抵抗性を発症している人は、血圧や脂質の状態などに異常をきたしやすいことから、心筋梗塞や脳血栓といった生活習慣病疾患群の背景には、インスリン抵抗性がよこたわっていると疑われるようになった。
【資料】
メタボリック・シンドロームに関する政府方針】
『食育推進基本計画』(2006)より(『食育基本法』(2005)にもとづき策定された計画)
 生活習慣病の有病者やその予備軍とされる人々は、内臓脂肪型肥満やこれに伴う高血糖、高血圧又は高脂血を重複的に発症させている傾向がみられる。このような状態は、内臓脂肪症候群メタボリック・シンドローム)として位置づけられており、生活習慣病を予防するためには、運動習慣の徹底等とともに健全な食生活によりその状態の改善を図ることが必要である。このため、内臓脂肪症候群メタボリック・シンドローム)を認知している国民の割合の増加を目標とする。具体的には、平成22年度までに80%以上とすることを目指す。
医療制度改革大綱』(2005、医療改革協議会)の数値目標より
 2008年4月から始まる特定健診制度(糖尿病等の生活習慣病に関する健康診査)では、メタボリックシンドロームの概念を応用して糖尿病対策を行う事を目指し、40歳から74歳までの中高年保険加入者を対象に健康保険者に特定健診の実施を義務化すると共に、メタボリックシンドローム該当者、または予備軍と判定されたものに対して特定保健指導を行うことを義務づける。5年後に成果を判定し、結果が不良な健康保険者には財政的なペナルティを課す事によって実行を促す。厚労省は、中年男性では二分の一の発生率を見込むなど、約2000万人がメタボリックシンドロームと予備軍に該当すると考えており、これを2012末までに10%減、平成27年度末までに25%減とする数値目標を立てている。これにより医療費2兆円を削減する。
皆様へ:
よくぞ開いていただきここまでの「続き」を読んでいただきました。
この記事は下記のウェブページの解説として展開しました。
メタボリックシンドローム
http://cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/080730metabo.html