共同謀議という概念を使ったら?

(1)暴走族が世間的には大馬鹿者あるいは愚かな犯罪者だからといっても、車体やエンジンの改造に関する知識や技能、もちろん運転技能もなみなみならないものがあるので、知的能力は通常人[ないしはそれ以上]としてみなしてよい。
(2)通常の知的能力をもつ人はしばしば共同謀議をおこなう。
(3)集団で走ろうが1人で走ろうが、暴走族のメンバーシップを自認しているのであれば、メンバーシップの間に「暴走しようぜ」という共同謀議が働いていると考える――こういう発想は治安維持法や(皇族や要人通行の際に周辺住民やリストアップされた不審者・危険人物を)予防拘束するという基本的人権を侵す危険性が大いにあるのだが。
(4)というわけで「ルーレット族」は容易に拘束することができるのだが、これもやはり頭脳警察化という点でまずいか?
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「昨年1年間に全国の警察が摘発した暴走族は前年比8・0%減の1万2584人で、集団走行して共同危険行為を問われるケースが減る一方、公道でスピードを競う「違法競走型」が前年比7・9%増の1610件だったことが7日、警察庁のまとめで分かった。/違法競走型のうち週末などの深夜から早朝にかけ、1度料金を払えば何周も回ることができる首都高速阪神高速環状線を周回しタイムを競う「ルーレット族」の摘発が増加。/ほかの車両を事故に巻き込む危険があるが、集団走行していないため道交法の共同危険行為が問えず、速度違反や方向指示器不使用などで摘発するしかないという。/暴走族全体の人数のうち成人が占める割合は平成18年に初めて少年を上回り、昨年は52・2%だった」(www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/121068/)。
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このルーレット族のタイムレースというのは、ベンサム流のディープなプレイを構成する。なぜなら、評価基準はタイムを競うわけだが、その時間帯の一般通行車の通行状態によって条件が異なるので(例:一台の流れに乗らない車のまわりでは連鎖的な小渋滞を引き起こす)、その深夜(早朝)における最高タイムと、それまでのレコードなど、複雑な遊びができるからだ。