Justify my Love

愚かな弟子の質問:
「女(男)を自分の言うがままにさせるために自分の欲望はどのようにコントロールすればよいのでしょうか?_自分の言うがままにさせるというのは、自分の欲望の充足(=解放)そのものですが、その究極の目的のためには、逆に自分の欲望をコントロールしないとならない。しかし自分の欲望をコントロールできていれば、女(男)への情念など不要になりませんか?_我々はなぜそういうことに苦しむのでしょうか」。

師匠尊師のお答え:
「Justify my Loveのビデオを観たことがありますか?_そこにすべての真理がある。だいたい以下のような表現がある「自ら欲望を持つ者は、 その欲望の結果、自分が支配したと思い込んでいる者に隷属化する運命にある。」この、応用ヘーゲル主義(=精神現象学)とでもいえることばは、まったく正しい。したがって、このような隷属化から自由になるために は、自己充足しなければならない。けれども、他者との関係を通して自己の存在を確認する存在である人間は、その選択肢を排除できない。歴史が証明していることですが、宦官が権力を手中にできたのは、この運命の桎梏から解放されていたからではないでしょうか?王でさえ、このような関係性を否定しえないがため、権力を乗っ取られる」。
――W.B.イェイツの詩句から:「わが情念を焼き尽くし給え、情欲に病む情念、死を背負う獣性(ダイイング・アニマル)に金縛りになった情念は身の程をわきまえぬ」
Consume my heart away; sick with desire
And fastened to a dying animal
It knows not what it is; and gather me
Into the artifice of eternity.

Also refer to "Dying Animal," by Philip Roth,2001.