天皇の大権の変容

mitzubishi2008-04-14

京都大学の永井和先生の文章から……
「大雑把にいうと、明治天皇の死により最終的に「君主独裁の大権政治」は否定されたのであり、政党政治がはじまる以前にすでに「君主の個人的意思に依存しない大権政治」へと「大権政治」そのものが変容してしまっていたと増田はとらえている。増田はそれを「国家主権と天皇主権の分離・並立」という言葉で表現しているが、要するに、天皇の個人的意思よりも輔弼者の意思が実質的な国家意思となる体制がかたまり、天皇個人はただ形式的な裁可者としてふるまうだけで、それでも統治システムが支障なく運用されていく(天皇の個人的意思はかえって統治システムの攪乱要因になりかねない)段階に、明治末には到達していたという認識を増田は有しているのである。」(www.bun.kyoto-u.ac.jp/~knagai/kuratomi/WorksofOkamoto.html)