ちゅうい! 全編戯作ですので、忙しい方は読む必要はありません

mitzubishi2008-03-29

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ちゅうい! 全編戯作ですので、忙しい方は読む必要はありません
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再度、垂水源之介です。おばんで(お邪魔しま)す。
第15回セミナーの開催日をめぐって、またそれ以降の◎◎研のウェブ更新に関するメールを2,3度交換しました。
おりから本日、H大の広報誌『H大ニューズレター』第39号(2008.03)が配信されてきました。
カバーストーリーの学長と電鉄社長が高層ビルの窓の外をながめる「いかにもエクゼクティブ」という情景写真に軽い吐き気を催しつつ、ふと、すでにこの世にいないコロンビア大学社会学者ライト・ミルズ(=W抜きで正しく見るズ?)の『パワーエリート』というマッカーシー旋風を生き残った新興エリートの誕生とその社会的働きを鋭く批判した本を思い出しました。日本にも〈実践〉や〈フィールド〉を媒介にして「知性」と「経済」の協働をほしいままにする「新たなエリート階級」が誕生しつつあることを実感しつつ!
てなことを思いつつページを繰ると、おお、わが友△△さんの「サルの中にヒトを見る」ズの記事(p.16)を発見!
その記事の中の「写真1 ニホンザルの顔」の4個体の顔を見つつ――ボク(=垂水)も今をサルこと30年前には100個体を超える宮崎県は幸島(こうしま)の自然群の個体識別が全部できた時代があるのです!――今日、◎◎さんにメッセージつきで送ったシドニーでのゲイのおっちゃんとの記念写真との関連でシドニーでの別の「思ひ出で」があったのでした。
それは、シドニーの自然史博物館で Face to Face という絶滅危惧に瀕した高等霊長類の保全を訴える小さな企画展でした。
このことを報じたブログ?があるので関心のある方はご覧下さい。
http://www.roadlesstravelled.com.au/face-to-face-our-endangered-primate-cousins/
さて、それがなんでやねんということなのですが……
この企画展は、チンプ、オランウータン(ご存じマレー語で森のヒト)、そして(たぶん多くはローランド)ゴリラの大判(丈は2メートルはあるかと思われる)の写真を暗闇でスポット展示しているのです。巨大な葬式写真の列のようにも感じますが、先のウェブページの森のヒトのボニーちゃんのように非常に穏やかな顔をしているのですな。オマケに効果音は熱帯雨林の効果音が流れています。これだけだったらど〜ってことないのですが、その写真の前にある短い説明文が凄いんですな、ま、こういう感じです「氏名:マサキー ローランドゴリラのマサキーは1998年◎◎共和国の自然保護区でブッシュミート目的の密猟者により両親を殺され××研究所に保護されたときは、栄養失調と皮膚病で餓死寸前だった。現在は◎◎の保護センターで元気に自然に戻るリハビリに専念している、うんぬん」。ま、ざっとこんな調子です。
畢竟文化人類学者の端くれとして解説するならば「え〜これは、自然保護をする運動家の言説戦術としてはまず高等霊長類に名前をつけ擬人化し、また顔の違い(これは本当に滅茶苦茶個性あります)を訪問者に印象づけ、また密猟の犠牲者であることを意味づけ、その保護を訴えるという手法が使われています、ふ〜んこれはシーシェパードが日本の捕鯨母船を後ろからとったこのナガスクジラの写真の効果などと類似点があり……、などなど」と説明することができるわけです。
でも、だからと言って私は血も涙もないニヒリストではありません。しっかりとミュージアムショップでボニーちゃんが全面に映った写真のTシャツを今日まさに来ており、筋トレをして半袖になった時に職場の同僚から「それなんですか?」と聞かれた時にはしっかりと高等霊長類の保護をしっかりと(ただし上のようにかなりねじ曲がって)伝えてますから……。
というわけではアーサー・ラブジョイ(ザ・シンプソンズの牧師ではありません)『存在の大いなる連鎖』があるのですな〜。
というわけで再度になりますが、「シンジケートの名前」万歳! というのが落ち(堕ちないように)になります。
お後がよろしいようで……