インター(ディシプリナリー)プリター事情

[1]いわゆる国際化や経済のグローバリゼーションの結果、医療通訳がわが国にも求められている。

[2]しかし、人的にも不足し、資質的には多様性な集団が日本にはいる。
すなわち、言語や母語集団によっても
 (A)母語話者への日本語能力や医療や社会保障に関する柔軟な知識提供[=北京語、広東語や韓国語など国内での話者人口が多く需要が多い集団]、
 (B)日本語話者への外国語言語能力の向上と医療や社会保障に関する知識提供[=特定の外国語能力のある日本語を母語とする集団。例、ポルトガル語ならびにスペイン語]、
 (C)保健や医療の専門職者で、これまでの間にすでに外国語の能力を身につけた人[=対象言語は、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など]、
 (D)AとBの中間グループ[=日本では少数言語だが、大学等の高等教育を受け、日本に中長期的に定住の意思のある外国語を母語とする集団ならびに、日本語を母語とする人で少数言語を身につけている集団]、などがいる。

[3]日本でまず最初のプロセスで医療通訳を養成する場合には、このような言語ならびに民族集団の異なる背景の人びとがいることについて配慮しておかねばならない。

[4]最終的にはプロフェッショナルの医療通訳への資格認定を権威のある機関が認定する必要があるが、そのプロフェッショナルが社会に出て有用な活躍ができるような、法的制度、社会支援システムを、このようなカリキュラムの策定と同時に構想しなければならない。政治家へのロビー活動などをどのようにするのか、先行する通訳制度や、諸外国の事例を検討して、日本の事情に相応しいものを構想し、社会に提言してゆく必要がある。