探究書

手製本を楽しむ / 栃折久美子
テセイホン オ タノシム
出版者 東京 : 大月書店(→附属図書館本館)
[Nature vol.451 (7179), (7 Feb 2008)
Highlights: 世界人口動態:高齢化の加速
世界人口の高齢化速度は政策立案、中でも年金や医療保障の財政管理にとって重要である。特に、調整が最も困難になるだろう急速な変化の時期を予測することは不可欠だ。今回、年齢層を固定した従来の計測値と新しい年齢概念を組み合わせて、世界人口の高齢化傾向が新たに算定された。新しい概念では、現在の60 歳が1900年生まれの60歳よりも「若く」て寿命までの生存期間が長いことを反映するために、固定された平均余命を取り入れている。こうして得られた推定値は、どのようにみても、世界人口の高齢化が加速していることを物語っている。世界的な高齢化は2020年から2030年の間にピークを迎え、その後減衰するとみられるが、今世紀中は高齢化のレベルが上昇し続ける。「高齢化のピーク」の時期は過去の出生率パターンによって決まる。そして、その時期は、米国と西ヨーロッパ諸国の一部では「ベビーブーム」世代が、中国では政府による出生率抑制策の施行時期が大きな影響を与える](www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=64544)。]
[Nature vol.451 (7179), (7 Feb 2008)
Highlights: 医学:損傷の原因は老人斑
アルツハイマー病患者の脳にみられる老人斑は、何十年もかけて生じると考えられてきた。こうした斑がアルツハイマー病の病因にかかわっているのかどうかについては、激しい議論が戦わされている。今回、アルツハイマー病のマウスモデルを使って多光子顕微鏡によりin vivoでアミロイド斑の形成を追跡する研究が行われ、局所的な神経毒性が顕在化する前にアミロイド斑が出現するという考え方が裏付けられた。意外にも、老人斑は 24時間以内という短時間で急激に形成され、その1〜2日後にはミクログリアが集合して神経突起の変化が始まるらしい。これらの観察結果から、アルツハイマー病では、ゆっくり進む神経変性の間に時々突然の皮質構造変化が起こるという可能性が浮かび上がってくる。こうした動態変動が、この病気の進行速度を変化させているのかもしれない](www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=64545)。
[Nature vol.451 (7179), (7 Feb 2008)
Highlights: 医学:アフリカの麻疹流行の消長
麻疹は多くの国ではほとんど根絶されているが、アフリカのサハラ砂漠以南地域とアジアの一部地域では、いまだに重大な死亡原因の1つである。ニジェールで、大規模な予防接種プログラムが始まる直前の1986年から2002年に発生した麻疹の疫学的研究から、流行は偶発的に時々起こり、その合間には局地的に感染が消失する時期があることがわかった。モデル研究によって、このような変動の原因が感染の季節性にあることが示された。この知見は、ワクチン接種計画のやり方に大きくかかわってくる。特に、麻疹根絶という目標に向けてワクチン接種率は上昇しているが、激しい季節性の流行は時折起こりうると予測され、このような不安定性を最小にするようにワクチン接種を最適化できるかもしれない](www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=64539)。
[Nature vol.451 (7179), (7 Feb 2008)
Highlights: 進化:時を旅するタンパク質
現在の生物の近縁種と遠縁種でゲノム塩基配列データを比較することにより、近縁だが現在は絶滅してしまった生物がもっていたと考えられる古代の類縁タンパク質配列を、コンピュータ上で再構築することが可能である。さらに、こうしたタンパク質を実験室で「復元」することもできる。今回、細菌の伸長因子25種類に関して、推定30億年にわたるその祖先型が復元された。これらの古代タンパク質は、地質年代をさかのぼるにつれて熱安定性がほぼ直線的に増加しており、古代生命を支えていた環境は当初は高温だったのが、次第に冷却されて30億年間で約30 ℃低下したことが示唆された。この低下パターンは、地質記録から推定される古温度の傾向によって裏付けられる。](www.natureasia.com/japan/nature/updates/index.php?i=64541)