インサイド・アウト

Sさんへ
 君は時事通信が配信した、カナダ下院の謝罪請求動議の可決を、日本の国権を侵す行為だと、また噴飯するかもしれません。でもよく考えたら、日本の自治体も反戦の誓いや、核兵器廃絶などで、かつての敵国のミリタリストや原爆投下を国益に叶ったことと信じて病まない人たちのプライドを逆撫でするようなことを言ってきたかもしれません。その点では、ま、これでおあいこでしょう。怒るよりも、批判の内容を仔細に検討し、それに対する我が国の態度――もちろんその作業は官僚ではなく日本の国民の代表たる議員がその責務を自覚してきちんとやる――を国内外に公表することでしょう。日本国民の少なからずの人が、そのような事柄に、きちんと対応すべきだと考えているのではないでしょうか。もし、私の主張に不備があるのなら、論拠をもって批判してください。それが論敵とは言え、友情の証しになるでしょう。

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「【ニューヨーク27日時事】第2次大戦中の従軍慰安婦問題に関し、カナダ下院で日本政府に公式な謝罪を求める動議の可決を目指す動きが強まっていることが 27日、分かった。28日に採決に付される可能性が高い。これについてAFP通信は、全会一致で可決される見通しだと伝えた。ただ、動議に法的拘束力はない。/動議は、野党・新民主党所属で中国系のオリビア・チョウ議員が本会議に提出。カナダ政府は福田康夫首相と日本の国会に対し、「20万人以上のアジア人女性が性的奴隷となるよう強制された歴史的事実」を認め、元慰安婦に「公式、誠実かつ明確に謝罪する」決議案を可決するよう促すべきだとしている。/また日本の教科書の中で、「軍の性的奴隷」に関する記述を復活させるよう要求した。」